「財産があまり無いから、うちは相続は関係ないよ。」と言われる方がいらっしゃいます。
でもそうでしょうか?
人間であるかぎり、財産が多かろうが少なかろうが、亡くなったら相続は発生します。
そして関係ないよと言われる方は、遺言書やエンディングノートも書く必要がないと思っていらっしゃいます。
本当にそうでしょうか?
以前のブログ「相続って何?」でも書きましたが、相続はお金や不動産や株などを承継することだけではありません。
相続って何? – 所沢相続サポートセンター (tokorozawa-souzoku.biz)
相続について民法では財産の承継の事しか書かれていませんが、相続の主役は財産ではなく人間です。
相続(=人の死)は避けることが出来ませんが、相続によって残された人たちが不幸になるのではなく、できるだけ幸せな状態になることが大切です。
財産だけに焦点を当てると不幸な相続になることが有ります。
財産によって不幸になるのは本末転倒です。
想いを伝える。想いを残す。
相続は、「相」・・すがた、 「続」・・つづける、と書きます。
親や先祖のすがたを、引き継いでいくのが相続だと言えます。
親や先祖がどのような人生を生きてきたか、どのような想いを持って生きてきたか。
「すがた」とは、「財産(お金・不動産・その他)」など形のあるものだけでなく、「想い」や「生き方」・「価値観」・「感謝の気持ち」・「文化」など形のないものも含みます。
形のないものも含めて伝え承継していくことが相続だといえます。
ですから財産の額に関係なく、遺言書の付言事項やエンディングノートで、子供や次世代や自分の大切な人に想いを伝えて頂きたいと思います。
付言事項やエンディングノートを書くことで、自分が大切な人達に対してどんな気持ちを持っているか整理する事が出来ます。
普段はなかなか意識しないので口に出して言う事も無いでしょうが、書くことで気持ちが言語化され、思っていたことが意識されるでしょう。
出来たらその気持ちを生きている間にその人に伝えられたら、関係がもっと良くなりお互い幸せになれるのではないでしょうか。
そして、出来るなら親が生きている間に家族で話し合うことをお勧めします。
亡くなってから、遺言書やエンディングノートで一方的に親の思いを伝えて財産を渡しても、子供たち世代の常識や思い・期待とかけ離れていると、却って子供たちの重荷になったり揉めることが有ります。
幸せな相続を実現するには、親が生きている間に話し合うのが一番いい方法です。
親が子供に、子供が親に、想いを伝える。
生きている間に、想いを伝え合い気持ちを共有する事が大事です。
但し、家族だけで話し合っても、うまく行かないことが多いのも事実ですので、私は家族の話し合いを支援する家族会議支援というのを行なっています。
財産額に関係なく、想いを伝えあったり、想いを残してみませんか。