なぜ今、相続コンサルタントが求められているのか

相続の勉強会を開催していると、参加者の方からこんな質問を受けることがあります。

「相続について相談したいのですが、いったい誰に相談すればいいのでしょうか?」

確かに、相続には司法書士、行政書士、税理士、不動産業者、保険会社、金融機関など、多くの専門家が関わります。

相談する内容が相続税に関することでしたら税理士ですし、遺言書作成でしたら行政書士というようにはっきりしています。

しかし多くの人は、相続に対して準備しておかなければいけないと思っているが、何が問題なのかが分かっていない方が大勢いらっしゃいます。
相談する側からすれば、「自分の悩みは誰に相談すればよいのか」、「そもそも、我が家にはどんな問題があるのか」が分からないことも少なくないのです。

昔に比べて、相続を取り巻く環境は大きく変化し、複雑になっています。
だからこそ今、個別の手続きだけでなく、相続全体を見渡し、道筋を考える存在が求められているのだと思います。

相続は「遺産分割」や「相続税」だけではなくなった

相続というと、以前は「遺産をどう分けるか」「相続税はいくらか」「節税をどうするか」といった問題が中心でした。

もちろん、これらは今でも重要です。しかし現在は、それだけでは済まない時代になっています。

超高齢社会が進み、団塊の世代はすべて75歳以上の後期高齢者になりました。
単身高齢者や子供のいない夫婦も増え、これまでの「親から子へ財産を引き継ぐ」という典型的な家族像だけでは考えられないケースも増えています。

さらに、終末医療や介護をどうするか、介護や認知症になった場合の財産管理をどうするかといった問題もあります。
最近では、スマートフォンやパソコンの中に残された情報、ネット銀行や証券、暗号資産などのデジタル遺産への対応も必要になってきました。

お墓や葬儀についても、「先祖代々のお墓を守る」という考え方だけでなく、墓じまい、永代供養、樹木葬、家族葬など、価値観は大きく多様化しています。

相続はもはや、亡くなった後の財産分けだけの問題ではありません。
「人生の後半をどう生き、家族に迷惑をかけないで、何を残し、何を託すのか」という、生前から相続時、相続後まで、長い時間軸で家族と共に考える問題になっています。

専門家はいても「最初の相談先」が分からない

相続には、それぞれの分野に優れた専門家がいます。

遺言書などの書類作成なら行政書士、相続税の申告なら税理士、相続登記なら司法書士、不動産の売却や活用なら不動産業者などです。
それぞれの専門性は、相続を進めるうえで欠かせません。

しかし、多くの場合、各専門家が対応できるのは主に自分の専門分野です。

例えば、「実家をどうするか」という問題一つ考えても、相続人同士の話し合い、不動産の名義変更、売却か活用かの判断、相続税への影響、認知症になった親の財産管理など、複数の問題が絡み合うことがあります。

本当に必要なのは、いきなり個別の手続きを始めることではありません。
まず家族全体の状況を整理し、「何が問題なのか」「何を優先すべきか」「家族の合意は必要か」「どんな専門家が必要なのか」を明らかにすることではないでしょうか。

家族と専門家をつなぎ、全体を見渡す役割

そこで求められるのが、相続コンサルタントの役割です。

相続コンサルタントは、司法書士や税理士などの専門家に代わって専門業務を行う存在ではありません。
むしろ、相談者や家族の状況、財産、将来への希望を整理し、問題を明確にしたうえで、必要に応じて各分野の専門家と連携して問題を解決していく役割を担います。

また、相続では法律や税金だけでは解決できない問題もあります。
親と子、兄弟姉妹など、それぞれに思いや考え方の違いがあります。
その気持ちを整理し、家族が話し合い、できるだけ納得できる方向を見つけていくための合意形成も大切です。

全体を見渡し、家族の間に入って合意形成をサポートし、必要な専門家をつなぎ、相続対策を一つのチームとして進めていく。
いわば「相続の総合窓口」であり、「全体のコーディネーター」としての役割です。

だからこそ今、相続コンサルタントが求められている

相続を取り巻く問題が複雑になればなるほど、一つの専門分野で解決することは難しくなります。

「誰に相談すればいいのか分からない」「何から始めればいいのか分からない」--そんな人は、これからますます増えていくでしょう。

だからこそ今、必要なのは個別の手続きだけを見るのではなく、家族全体を見渡し、問題を整理し、対策の優先順位を考え、必要な専門家と連携しながら円満な相続を目指す存在です。

相続コンサルタントの役割は、何か一つのサービスや手続きを提供することではありません。

その家族にとって本当に必要なことは何かを一緒に考え、複雑な相続の道筋を整理し、「円満で幸せな相続」へ向かうための全体を設計すること。

複雑化する相続の時代だからこそ、今、相続コンサルタントが求められているのだと思います。


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お問い合わせ : 所沢相続サポートセンター – 相続の悩みを解決して、笑顔の相続を実現する相続コンサルタント (tokorozawa-souzoku.biz)

この記事を書いた人

吉野喜博

吉野喜博

1951年5月、広島県広島市生れ。現住所は埼玉県所沢市。
国立呉工業高等専門学校建築学科を卒業して、建築の企画・設計・監理業務に約30年従事する。
30年前位から不動産の仕事(ビル・マンション企画開発・販売、土地の仕入れ、仲介業務等)も併行して行う。
2008年から相続の勉強に本格的に取り組む。
2016年から所沢市にて、市民の方を対象に相続勉強会と相続相談会を開催している。
2022年4月に所沢相続サポートセンターを設立。
各所で、相続セミナーの講師および相続相談会の相談員を担当。

趣味:
所沢の米で日本酒を作る会の監事、日本酒を嗜むこと、カラオケ、韓国語の勉強、映画鑑賞。

保有資格:
NPO法人 相続アドバイザー協議会認定 上級アドバイザー、
一般社団法人 相続診断協会認定 上級相続診断士、 公認 不動産コンサルティングマスター、
相続対策専門士、 一級建築士、 宅地建物取引士、 ファイナンシャルプランナー