私が相続の道に入ったのは、平成20年にNPO法人 相続アドバイザー協議会の「相続アドバイザー養成講座」を受講した後です。
この講座は、第1講座だけ3時間でその他は各2時間の講座で、全部で20もある講座でした。
相続の基本や仕組み、戸籍・登記簿の読み方、相続税の計算、不動産の評価、成年後見制度、遺言書作成、借金と相続、法律知識、生前贈与、不動産と相続、生命保険、測量、事業承継など、相続に関する全ての事を学ぶ講座でした。
私はこの講座を平成27年にも再受講し、家族信託などの新しい知識や多くのことを学びました。
相続アドバイザー養成講座の教え
この講座の第1講座で野口賢次先生に教えて頂いたのが、「心の相続」であり、「譲る心と感謝の気持ち」を持つことの大切さでした。
相続の目的は相続人の幸せであり、相続は譲った者が結局は幸せになるという教えでした。
譲ったら本当に幸せになれるのか、損をしてしまう事になるのではないかとの考えがよぎりました。
但し、相続人がそれぞれ権利を主張して譲らなければ争いになり、肉親同士が憎しみあう事になるので、それは不幸になる事だと容易に考えられました。
肉親同士が憎しみ合うことほど、精神的に辛くて消耗する事はないからです。
兄弟姉妹の縁は切れ、それは子や孫の代まで影響します。
では、どうしたら譲る心を持つ事ができるかというと、それは親に対して感謝の気持ちを持つことだと言うことでした。
親が遺してくれた財産を、相続するのは当たり前だと思って相続する相続人間では、相続争いになることが多い。
親が一生懸命遺してくれた財産を、感謝の気持ちで受け取る相続人間では、相続争いになることが少ない。
「当たり前」の反対語は「有り難い」。 「有り難い」=「感謝の気持ち」。
それ以来、私も感謝の気持ちを持つように心がけ、私が主催する勉強会でも感謝の気持ちの大切さを話すようになりました。
でも、感謝の気持ちは相続時にだけ持てば良いというものではなく、常日頃から持つ事が重要だと考えています。
常日頃から感謝の気持ちを持っていれば、相続の時も自然と親や兄弟に感謝の気持ちが湧き、揉める相続が無くなるのではないかと思います。「感謝の気持ち」⇒「譲る心」が生まれる、ですね。
今、自分が存在するのは親や先祖のおかげだ。有り難い。
今の自分があるのは、家族や回りで支えてくれたり関わってくれる人達のおかげだ。有り難い。
今日も元気で過ごせているのは有り難い。
今日もかみさんがご飯を作ってくれるのは有り難い。
今日も平和で暮らせているのは有り難い。
生きるのに欠かせない、空気や水や日照を与えてくれる自然や地球や太陽に感謝。
「幸福とは感謝の心なり」という言葉が有ります。(誰が言ったのかは知りません)
今日も感謝の気持ちで過ごしたいと思います。