日本の相続制度をご存じですか?

日本の相続制度は、よく考えてみると怖いところが有ります。

日本の相続制度だと、自分が相続人だと知った日から3ヶ月以内に、相続について、単純承認若しくは限定承認、又は相続放棄を選択しなければいけません。

日本には相続の仕方に3つの方法が有りますが、3つ方法が有るということを知っている人は殆どいらっしゃいません。

単純承認、相続放棄についてはご存じの方も多いと思いますが、限定承認については私が勉強会で参加者の方にお伺いしたところ、殆どの方はご存じ有りません。
限定承認については長くなるので、又の機会にしたいと思います。

この3ヶ月間は熟慮期間と言って、良く熟慮してから相続の仕方を決めてくださいと言うことです。
しかし相続発生後は、通夜・葬儀や納骨、それに色々な相続手続きなどで忙しく、相続財産を調査したり遺産の分け方を話し合ったりするのは四十九日の法要が終わってから位ではないでしょうか。
そうすると、相続の仕方を決めるまで、あと1ヶ月ちょっとしか無いことになりますね。
熟慮期間と言いますが、実はあまり熟慮している時間は有りません。

離婚や再婚も増え、家族関係が複雑化している中で相続人の確定に時間がかかっています。
また相続財産の調査も、亡くなられた方が相続人と殆ど付き合いがなかったりお一人様の場合などは、遺産の調査が難しかったりします。 それに、インターネット取引の増加などで調査に時間がかかっています。

この熟慮期間は法律を改正して伸ばして欲しいと思いますが、期間伸長の申立てをしない限り、現状では原則3ヶ月以内に相続の仕方を決めなければいけないことになっています。

何もしないでいると、何もかも全てを相続する!

この3ヶ月以内に相続放棄も限定承認もしないと、法定単純承認といって単純承認したものとみなされます。

日本の相続制度は、何もしないで3ヶ月を過ぎてしまうと単純承認となり、何もかも全てを相続します。(亡くなった人の権利・義務を無限に承継します。)

土地や預貯金、現金、株などプラスの財産だけなら良いのですが、借金や保証人の立場などマイナスの財産も相続してしまいます。

亡くなった人が保証人や連帯保証人になっていたり借金が有った場合、あなたが相続人で相続放棄も限定承認も何もしないで3ヶ月が過ぎた場合、自動的に保証人になっていたり借金を背負うことになります。

これは本当に怖いことだと思いませんか?!

誰が相続人になるか知っておこう!

あなたが相続人だった場合、何もしないでいると3ヶ月後には、マイナスの財産も含めて何もかも相続してしまうという話をしました。

それには先ず、あなたが相続人であるかどうか知っておく必要があります。
知らない限り、相続放棄の申立ても限定承認の申立ても家庭裁判所にしないでしょう。

「自分が法律上、相続人だと知らなかった。」という理由で、3ヶ月過ぎたあと家庭裁判所に相続放棄したいと申し出ても家庭裁判所は認めてくれません。
法律上、誰が相続人になるか先ず知っておきましょう!

その上で、自分が相続人であると分かったなら、大至急相続財産の確認や遺産の分け方の話し合いをする必要があります。

もし相続財産が多かったり複雑だったり外国に有って大変な場合などで、3ヶ月以内に相続の仕方が決められない時は、3ヶ月以内に家庭裁判所に対して期間を伸長してもらう申立てをしましょう!

くれぐれも、3ヶ月間何もしないで、借金などを背負うことは避けてくださいね。

この記事を書いた人

吉野喜博

吉野喜博

1951年5月、広島県広島市生れ。現住所は埼玉県所沢市。
国立呉工業高等専門学校建築学科を卒業して、建築の企画・設計・監理業務に約30年従事する。
30年前位から不動産の仕事(ビル・マンション企画開発・販売、土地の仕入れ、仲介業務等)も併行して行う。
2008年から相続の勉強に本格的に取り組む。
2016年から所沢市にて、市民の方を対象に相続勉強会と相続相談会を開催している。
2022年4月に所沢相続サポートセンターを設立。
各所で、相続セミナーの講師および相続相談会の相談員を担当。

趣味:
所沢の米で日本酒を作る会の監事、日本酒を嗜むこと、カラオケ、韓国語の勉強。

保有資格:
NPO法人 相続アドバイザー協議会認定 上級アドバイザー、
一般社団法人 相続診断協会認定 上級相続診断士、 公認 不動産コンサルティングマスター、
相続対策専門士、 一級建築士、 宅地建物取引士、 ファイナンシャルプランナー