憲法を変えて戦争に行こう! ~ そんな未来を想像してみる

今回は少し刺激的なタイトルのブログを書きました。

以下は、私が望む未来を語るものではなく、「もし改憲が戦争遂行能力の拡大につながった場合、どのような社会的変化が起こり得るのか」を考えるための問題提起です。

先ず、誤解されないように書いておきたいと思いますが、決して私自身、戦争になればいいと思っているわけではありません。
戦争は、絶対してはならない。巻き込まれてはならないと思っています。戦争は殺し合いですから。

そこで今回のブログでは、憲法を変えて戦争ができる国にした場合、どのようなことになる可能性があるのか。想定されるのか。
改憲の先にある未来を想像してみたいと思います。

最近の改憲論議

最近、日本では改憲の議論が活発になっています。
勿論、憲法は一切変えてはいけないものではなく、その時々の社会の状況や国民意識の変化に合わせて変えた方が良いことも出てきます。憲法は「不磨の大典」ではありません。

私も憲法を改正した方が良いと思う条文があります。

日本国憲法の第1章は「天皇」です。現在、皇室典範改正案が国会で議論され、衆議院では可決されました。
しかし、天皇制は本来、法の下の平等・民主主義・国民主権とは相容れないものです。

天皇には職業選択の自由や婚姻の自由などが制限され、基本的人権が有りません。憲法第11条・第13条・第14条・第20条・第22条などに違反しています。
従って、いろんな意見があると思いますが、私は天皇制は廃止した方が良いと思っています。

憲法24条には、「婚姻は、両性の合意のみに基づいて成立し」と書いてあるので、同性の結婚はできないようにも読めてしまいます。

また、時の政権の都合によって衆議院を解散できる権利も制限した方が良いでしょう。

しかし、最近の議論の中身をよくよく見ると、本当に時代に合わせて憲法を変えていく必要があることよりも、日本を取り巻く安全保障環境が厳しくなってきたという理由で、軍事力を増強して外国と戦争ができる国に変えようとしているのが本音のように見えます。

勿論自衛権で国を守ることは大切です。
しかし、今や専守防衛を超えて集団的安全保障の名のもとに、アメリカなどの同盟国が世界中で行う戦争にも、同盟国と一体となって戦うことができるようにしたい。
そのために、憲法を変えようとしているように感じられます。

それではこれから、最近の改憲の議論に沿って憲法を変えた場合を想像してみましょう。

今こそ改憲のチャンスです

最近、自民党や日本維新の会は憲法を変えようという主張を盛んにしています。

改憲を主張する政党や人たちは、「日本を取り巻く国際情勢が厳しくなった」「日本を守るためには憲法を変える必要がある」と言います。

首相も改憲に前向きです。与党だけでなく、野党の中にも改憲に前向きな政党があります。
国会では改憲に賛成する勢力が大きな力を持っています。
改憲派にとっては、まさに絶好のチャンスです。

それなら、憲法を変えましょう。
そして、日本を(あえて極端に言えば)「外国と戦える国」「戦争のできる国」にしましょう。

憲法は変えてはいけないものではありません。
時代に応じて改正することもあります。

しかし、変えるのであれば、その先にどんな社会が待っているのかまで考えなければなりません。

本命は9条の改正です

改憲論議では、教育の無償化や参議院選挙区の合区解消なども語られています。
もちろん、それらも大切なテーマです。

しかし、多くの国民が感じているのは、改憲論議の本命はやはり9条ではないかということです。

自衛隊を憲法に明記する。
あるいは国防軍として位置付ける。(自民党の憲法改正草案では、国防軍を保持することが明記されています。)

戦後日本の平和主義を大きく転換する議論です。

戦後80年以上、日本は「戦争をしない国」として歩んできました。
自衛隊は、専守防衛で自国および自国民を守るためだけに戦う存在でした。

ですが、それでは不十分となりました。
現在では、集団的自衛権によって同盟国の戦争にも参加しなければいけなくなりました。

日米同盟をさらに深化し強化するためには、日本はアメリカと一体となって軍事行動ができる国にならなければなりません。
本当に同盟国として信頼されるためには、武力行使にも積極的に参加できる国にならなければなりません。
そして、たとえアメリカが世界のどこかで武力行使や戦争を行ったとしても、自衛隊が米軍と共に行動できる体制が必要です。

そのために9条は邪魔なので変える必要があります。
戦争放棄や武力行使の制約があるからです。
憲法を変えて、その制約を取り払う必要があります。

そして、はっきりと言いましょう。
日本を外国と戦える国にしたい、戦争のできる国にしたい、と。

しかし、9条は日本国憲法の平和主義を具体的な条文としてあらわしたものです。
9条を変えた場合、どのような世界になるのかはよく考えなければいけません。

外国と戦うには兵士が必要です

戦争は理念だけでも兵器だけでもできません。
戦う人間(兵士)が必要です。

現在、自衛隊は深刻な人員不足に悩んでいます。
募集しても人が集まらない。
若者の人口も減り続けています。

それでも中国、ロシア、北朝鮮などに備えて十分な兵力を維持するのであれば、どうすれば良いのでしょう。

もし本格的な軍事国家を目指すなら、その先には徴兵制という議論が出てくる可能性があります。

18歳になったら兵役義務を課す。
一定の期間の軍事訓練を受けてもらう。
必要があれば戦場へ行ってもらう。

外国と戦える国になる以上、それくらいの覚悟は必要でしょう。
国を守るためなら仕方がありません。

「徴兵制なんて考えていない」という声もあります。
しかし、慢性的な人員不足のまま、本格的な軍事国家を目指すことは不可能です。

皆さん、徴兵制についてどう思いますか?

高齢者は戦場に行かない

改憲に賛成する若者や高齢者も少なくありません。
もし本当に戦争が始まったら、戦場に行くのは誰でしょうか。
70代でしょうか。80代でしょうか。
違います。
18歳、20歳、30歳、40歳の若い人たちです。

殺すのも若者。殺されるのも若者。
傷つくのも若者。家族を失うのも若者です。

私も高齢者の一人です。
仮に戦争になっても、おそらく私は戦場へは行きません。

しかし、息子や娘、孫の世代は違います。
だから、高齢者は真剣に考えなければいけないでしょう。

自由や人権は戦争の邪魔です

戦争には国家の統制が必要です。

国民が自由に政府を批判し、反戦行動を行い、軍事政策に反対していたら、戦争は遂行できません。
そのため戦争を行う国家では、表現の自由や思想信条の自由が制限されることがあります。

歴史がそれを示しています。

政府に反対する言論。
戦争反対の集会。
軍事政策への批判。
そうしたものは、「国家の安全を害する」と見なされるでしょう。

個人より国家。
自由より秩序。
権利より義務。

その方向へ進む方が戦争はしやすくなります。
だから戦争ができる国を目指すなら、基本的人権の制約も受け入れなければなりません。
個人の人権より公益(国益)を優先しなければなりません。

本当にそれでよいかどうかは考えなければいけませんが・・・。

緊急事態条項で強い国家をつくろう

さらに緊急事態条項も必要です。
台湾有事が起きたらどうでしょう。国会で議論している時間はありません。
国家の危機には迅速な対応が必要です。
国会を通さず政府が命令を出せるようにし、国民はそれに従う。それが効率的です。

反対運動もデモも「非常時だから禁止」
報道も制限。
国家の方針に異議を唱える人は取り締まる。
そうすれば国家は強くなります。
少なくとも戦争はやりやすくなります。

しかし、強い国家と自由な国家は必ずしも同じではありません。
強大な権限を持つ政府が常に正しいとは限りません。
歴史上、多くの国が非常事態を理由に権力を集中させ、民主主義を失いましたが、戦争をするためには仕方がないのでしょうか。

憲法を変える前に考えてみる

ここまで読んで不快に感じた方もいるかもしれません。
「そんな極端な話になるはずがない」と思われる方もいるでしょう。
私もそう願っています。

しかし、憲法は国の進路を決める最高法規です。
一度変えれば、その影響は何十年にも及びます。
変えるのであれば、その結果としてどんな社会になるのかを想像しなければなりません。

先の大戦では、日本だけで310万人以上、アジア全体では2,000万人以上と推定される人々が亡くなりました。

強大な国家権力によって戦争が遂行され、個人は国家に従うしかなく、おびただしい人が亡くなりました。
その反省の上に立って、その人たちの死を無駄にしないために、現在の憲法は作られました。

憲法とは、国家が持つ巨大な権力を縛ることで、私たち国民の権利や自由を守るためのルールです。

国家権力は時として国民の声から離れ、暴走する危険があります。
国家が暴走して個人の人権を踏みにじらないように、国家を縛るものとして作られました。

従って憲法を守る義務を負うのは主に国家権力側です。国民には憲法を守る義務は課されていません。
個人の基本的人権を最優先させています。国家より個人を大事にしています。

日本国憲法は、私たち日本人が戦争という苦難を経て手に入れ、引き継いできた、かけがえのない相続財産です。

私は改憲そのものに反対しているわけではありません。

しかし改憲は、国民主権、平和主義、基本的人権という憲法の根幹を変える大きな出来事です。
だから憲法を変えることは、国民一人一人がよくよく考えなければいけません。

憲法を変えること自体が目的ではありません。
その前に考えてみましょう。

どの条文を、なぜ変えるのか。
私たちはどんな国に住みたいのか。
子や孫にどんな日本を残したいのか。

その問いこそが、憲法論議の出発点であるべきだと思います。


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この記事を書いた人

吉野喜博

吉野喜博

1951年5月、広島県広島市生れ。現住所は埼玉県所沢市。
国立呉工業高等専門学校建築学科を卒業して、建築の企画・設計・監理業務に約30年従事する。
30年前位から不動産の仕事(ビル・マンション企画開発・販売、土地の仕入れ、仲介業務等)も併行して行う。
2008年から相続の勉強に本格的に取り組む。
2016年から所沢市にて、市民の方を対象に相続勉強会と相続相談会を開催している。
2022年4月に所沢相続サポートセンターを設立。
各所で、相続セミナーの講師および相続相談会の相談員を担当。

趣味:
所沢の米で日本酒を作る会の監事、日本酒を嗜むこと、カラオケ、韓国語の勉強、映画鑑賞。

保有資格:
NPO法人 相続アドバイザー協議会認定 上級アドバイザー、
一般社団法人 相続診断協会認定 上級相続診断士、 公認 不動産コンサルティングマスター、
相続対策専門士、 一級建築士、 宅地建物取引士、 ファイナンシャルプランナー