昨年11月、国会での高市首相の発言をきっかけに、「存立危機事態」という言葉が改めて注目されました。
ニュースではよく聞くけれど、正直なところ「何となく難しそう」「自分には関係ない」と感じている人も多いのではないでしょうか。

存立危機事態とは、
「アメリカなど密接な関係のある他国が攻撃を受け、その結果、日本の存立が脅かされ、国民の生命・自由及び幸福追求の権利が根底から覆される明白な危険がある事態」と規定されています。

簡単に言えば、「日本そのものが危機に陥り、国民の生命や暮らしが根本から脅かされるおそれがある状態」のことです。

存立危機事態が認定されるということ

ここで大切なのは、「存立危機事態が認定される=戦争へのスイッチが入る」という現実です。
この事態だと認定されると、日本は自衛の名のもとに、内閣総理大臣の命令により自衛隊が武力行使を行います。

つまり、存立危機事態の認定とは、言葉を選ばすに言えば、「戦争が始まる」ということです。
どんな理由があろうと、ミサイルが飛び交い、人が傷つき、多くの人命が失われる。
それが戦争です。

ですから、「存立危機事態が認定される」という言葉は、抑止のための抽象的な表現ではなく、極めて具体的で重い意味を持ちます。

中国と戦争すること自体が、日本の存立危機になる

ここで冷静に考えなければいけないのは、中国と戦争することそのものが、日本の存立危機になるという現実です。

日本は国土が狭く、人口と産業が都市部と沿岸部に集中しています。
中央省庁、企業のオフィス群、商業施設、金融、物流、原子力発電所、港湾、空港、通信、工場など、いずれも戦争に極めて脆弱です。

ミサイルが飛び交う事態になれば、被害は自衛隊だけでなく、私たち一般市民の生活基盤を直撃し、多くの人命が失われ、暮らしは一気に壊滅的な被害を受けるでしょう。

戦争は、必ず一般市民を巻き込みます。
「守るための戦争」が、日本を守らないどころか、日本を根底から破壊する可能性が高いという点を直視すべきだと思います。

台湾は日本の重要なパートナーだが、国家関係は別の問題

台湾は日本に対して親日的で、文化的・人的交流が深く、日本の重要なパートナーです。
しかし、台湾と日本の間には国交がありません。
これは感情の問題ではなく、国家としての法的・外交的現実です。

日本政府は1972年の日中共同声明において、“中華人民共和国政府が中国の唯一の合法政府であることを承認し、台湾をその一部とする中国の立場を「十分理解し、尊重する」”と表明しました。

さらに、1978年の日中平和友好条約、
1998年の日中共同宣言、
2008年の日中共同声明においても、
日本はこの立場を繰り返し確認しています。

この外交的経緯を踏まえれば、日本が台湾情勢に武力介入することは、中国側から見れば主権への侵害、すなわち侵略行為と受け取られかねないという事実です。

たとえ「台湾を守る」という大義名分があったとしても、国家間の約束を反故にした軍事介入は、日本の国際的信用を大きく損ないます。

また、冷静に考えなければいけませんが、
台湾は日本の重要なパートナーではありますが、日本には台湾を軍事的に守る義務はない、ということです。
台湾を見捨てるのかという意見があるかと思いますが、台湾のために多くの日本人の命が犠牲になり、日本が壊滅的な被害を受けるという意味を考えなければいけません。

台湾問題には軍事的に介入しないという姿勢こそが、現実的で責任ある選択ではないでしょうか。

経済の現実からも目を背けてはならない

日本最大の貿易相手国は中国です。
輸出入総額に占める割合は約20%、17年連続で第1位です。

戦争の前には、必ず経済封鎖があります。
工業製品・建築用資材・食料・レアアースなど、中国との貿易が止まれば、日本経済はたちまち立ちゆかなくなります。

中国のGDPは日本の約4~5倍、軍事予算も約5倍以上とされています。
勝ち目のない戦争を仕掛けることは、無謀であり、無責任と言えます。

中国と対立しているアメリカのトランプ大統領も、中国との経済関係を重視し、今年4月に訪中し習近平国家主席と会談を予定しています。

昨年12月にはフランスの大統領が訪中し、今年1月には韓国、カナダ、イギリスの首脳も相次いで訪中しています。

それぞれの国は、中国と対立や相違は抱えつつ、中国と経済的に大きく依存しあっており、対話を行い、安定した関係を築こうと努力しています。

中国との貿易に最も依存している日本も、対立を煽って存立危機事態を招くより、お互いに良好で安定的な関係を築くことが最も国益にかなうのではないでしょうか。

本当に守るべきものは何か

存立危機事態とは、決して認定されてはいけない事態です。
それは繰り返しますが、戦争が始まる事です。

戦争になれば、真っ先に危険にさらされるのは、普通に学校に行き、仕事をし、家族と暮らしている私たちです。
「守るための戦争」という言葉はよく使われます。
しかし、戦争そのものが始まった瞬間から、守られるはずの命や暮らしは確実に壊されていきます。

戦争を避け、国民の命と暮らしと財産を守る。
それこそが政治家の第一の責任であり、最大の使命です。
そのために、政治家は命を懸けて外交努力をすべきです。

台湾問題に武力介入しないこと。
中国と戦争しないこと。
そのために命懸けで外交努力すること。

それは弱さではなく、日本が日本であり続けるための最も現実的で賢明な選択だと思います。


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この記事を書いた人

吉野喜博

吉野喜博

1951年5月、広島県広島市生れ。現住所は埼玉県所沢市。
国立呉工業高等専門学校建築学科を卒業して、建築の企画・設計・監理業務に約30年従事する。
30年前位から不動産の仕事(ビル・マンション企画開発・販売、土地の仕入れ、仲介業務等)も併行して行う。
2008年から相続の勉強に本格的に取り組む。
2016年から所沢市にて、市民の方を対象に相続勉強会と相続相談会を開催している。
2022年4月に所沢相続サポートセンターを設立。
各所で、相続セミナーの講師および相続相談会の相談員を担当。

趣味:
所沢の米で日本酒を作る会の監事、日本酒を嗜むこと、カラオケ、韓国語の勉強。

保有資格:
NPO法人 相続アドバイザー協議会認定 上級アドバイザー、
一般社団法人 相続診断協会認定 上級相続診断士、 公認 不動産コンサルティングマスター、
相続対策専門士、 一級建築士、 宅地建物取引士、 ファイナンシャルプランナー