
今年の夏、私は「認知症サポーター養成講座」を受講しました。
いま日本では、認知症の人の数は約470万人、MCI(軽度認知症障害)の人も加えると1000万人を超えていると言われています。
これは、65歳以上の高齢者の約3割にあたります。
認知症の人の数は、今後ますます増えてくることが予想されています。
80歳代後半は1/3が認知症、90歳以上になると1/2が認知症という厚労省研究班の発表もあります。
人生100年時代と言われる現在、誰が認知症になってもおかしくありません。
このように認知症の人が増えて来ると、これからは認知症の人と地域や生活の場で共に生きていくことになるでしょう。
そのため、認知症について正しい知識を持つこと、本人や家族の気持ちを理解すること、そして地域で自分にできることを知ることが必要になってきます。
講座を受けて多くの学びがありましたが、受講後は何も行動することなく、「具体的に自分はどういう行動ができるのか?」という疑問も残りました。
その疑問に向き合うため、今月あらためて、「認知症サポーター ステップアップ講座」(全3回・各2時間)を受講しました。
ステップアップ講座の目的
ステップアップ講座の目的は、次の3つでした。
1つ目は、養成講座で学んだことをもとに、認知症の知識をさらに深めること。
2つ目は、それぞれの地域で、認知症の人やご家族を支える活動につなげること。
3つ目は、「チームオレンジ」の一員として活躍できるようになることです。
単なる知識の上積みではなく、「地域でどう動くか」を強く意識した講座でした。
1日目:症状ではなく「想いや背景」に目を向ける
1日目のテーマは、「改めて症状や本人の想いを理解しよう」。
1日目の目的は、
・チームオレンジについて理解する
・認知症の人の想いに寄り添い、一緒に考える
・認知症の症状を正しく理解する
・地域資源とは何かを知る
というものでした。
特に印象に残ったのは、
認知症の人の行動・心理症状だけを見て対応しても、根本的な解決にはならないという点です。
「なぜそのような行動をするのか」
「どんな不安があるのか」
認知症の人の心を分かるために、認知症の人がどんな生活をしてきたのか、今までどんな人生を送ってきたのかなど、背景まで含めて考えて対応することの大切さを学びました。
そして、認知症になっても
自分らしく、楽しく生きることを目指す
という視点は、とても大事なことだと思いました。
2日目:認知症の人が見ている世界を体験する
2日目のテーマは、「いざ実践!認知症の人への対応シミュレーション」。
2日目の目的は、
・認知症VR体験を行い、認知症の人が見ている世界観を知ること
・認知症の人の想いを理解し、実際の対応の仕方を理解すること
認知症VR体験を通して、認知症の人が見ている世界を疑似体験しました。
バスから降りる高さが、ビルの4階屋上からの高さに見える--その恐怖や不安は想像するのが難しいほどです。
幻覚が見えたり消えたりすることで、「何が本当なのか分からなくなる」不安も体感しました。
また、たとえ認知症の人が間違ったことを言ったとしても、否定せず、まず肯定し受け止めることが大切
という教えは、非常に心に残りました。
3日目:地域で支える仕組みを考える

3日目のテーマは、
「地域で認知症の人を支えられるようになろう」。
これまでの振り返りを行いながら、
自分たちの地域でどんな支え合いができるか、身近でできることは何かをグループで話し合い、企画書を作成しました。
「専門家でなくてもできることはある」「自分ができる範囲でやればいい」と感じた時間でした。
私自身の立場で考えること

私の親族にも軽度認知症の人がいますし、私たち夫婦自身も将来認知症になる可能性は十分あります。
また、相続の相談やサポートの現場でも、認知症の人やご家族と向き合う場面は少なくありません。
今後ますます認知症の人が、私達の回りに増えて来ることが予想されます。
今回の学びをきっかけに、
今後は地域の認知症カフェや集まりにも参加しながら、認知症の人を地域で少しでも支えられる活動をしていきたい。
そして、自分が認知症になった時も、地域で支えられながら楽しく自分らしく生きていきたい。
認知症の人が暮らしやすい地域は、認知症でない人も暮らしやすい地域でしょう。
そんな地域になるために行動していきたいと思います。
知るだけで終わらせず、行動につなげていく。
その第一歩となる3日間でした。
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