自宅土地建物やアパートなどの不動産は相続財産の中で大きな割合を占め、同じ物はこの世に二つとなく、その性質上、相続において対策をしておかないと相続人間で揉めたり困難に直面するリスクが有ります。
幸せな相続を実現するためには、相続不動産のリスクを知り、それに対する準備が必要です。
今回は相続不動産の3つの相続リスクと、その対策についてお伝えします。
3つの相続リスク
相続不動産には色々なリスクが有りますが、今回は主だったリスクについて3つお伝えします。
1.リスクその1
「誰に」、「何を」、「どのように」相続させるか確定していない場合、争いの原因になることが有ります。
不動産は売却してお金で分ける以外、分割することが非常に難しいためです。。
争族対策が必要になります。
2.リスクその2
不動産を所有している親が認知症になった場合、大規模な修繕も建替えも売却もできません。
凍結されてしまいます。 後見人をつけたとしても、本人のためでなければ活用も売却もできません。
3.リスクその3
納税は出来るか?
納税資金がない場合、その不動産は売却出来るのか?物納はできるのか?が問題となります。
準備しておかないと、納税期限の10ヶ月以内に納税も物納もできない事になり、高額の延滞税を払うことになります。
幸せな相続にするための対策
1.遺言書を作成する。
遺言書を作成し、誰に何を相続させるか指定しておくことは、円満な相続対策としては基本中の基本です。
また、遺言書を作成するときは、家族で話し合って作成することをお勧めします。
家族だけで話し合う事はなかなか難しいので、私たちが話し合いを支援します。
遺言書には付言事項で、どうしてその様な引き継ぎ方にしたのか書いておくと、相続人の納得が得られ易く揉める事も少なくなります。
2.生命保険の活用
相続不動産の評価額が大きい場合、その不動産を相続した相続人が他の相続人に代償金を支払うことが有ります。
生命保険を活用して代償金の準備をすることは、大変有効な方法です。
3.第三者に売却
第三者に売却して換金化し、納税資金に充てたり、相続人で分ける方法です。
4.不良不動産の優良化
古くて入居率の悪いアパート・マンションなどの収益不動産を、市場ニーズに合わせてリフォームやリノベーションをし高収益の不動産にすれば、相続する相続人も幸せになります。
また、低収益のアパートや駐車場を売却して、高収益の区分所有マンションや不動産小口化商品に買い換えるのも一つの方法です。
5.民事信託(家族信託)
親が認知症になった時に備えて、親と子供などとの間で民事信託契約を交わしておくことも、大変有効な方法です。
また、収益不動産を誰が相続するかで子供達が揉めている場合、その不動産を信託してその収益を子供達で分けることも可能になります。
6.生前贈与
相続税が高額になることが予想される場合、相続税評価額で不動産を生前に移転させることも考えられます。
但し、推定相続人に渡す財産のバランスや諸事情を考慮して慎重に行なわないと、却って後々揉める原因にもなります。
7.不動産の法人化
法人を設立し、簿価で建物を法人に移転させる方法です。
収益不動産であれば、推定相続人を役員や社員にして報酬や給料を支払います。
親の相続税を軽減出来ると同時に、子供達の生活費や納税資金を作ることができます。
まとめ
不動産は、私たちが生活する上で基盤となるとても大切な財産です。
また、それぞれの不動産は違いが有り、個性が強い財産です。
大切な財産ではありますが、所有していることがリスクになることもあります。
不動産を所有していることは大きなメリットですが、さまざまなリスクも潜んでいますので、専門家に見てもらいリスクを顕在化して対策をしておかないと困難に直面することも有ります。
子供達が揉めないで円満で円滑な相続を実現するためには、準備・対策をしておくことがとても重要です。
今回は主だったリスクと対策を紹介しましたが、その他にも不動産の相続に際しては生前に対策をしておくべき事が、家族や不動産の状況によって多多有ります。
不動産の相続を考えられている方は、是非一度ご相談ください。
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