今回は個人的なことになりますが、愛犬ココアとの事について書かせていただきます。

ココアが17歳1ヶ月の生涯を終えてから丁度一ヶ月になります。

17年間も一緒にいたので未だいるような気がして、ココアの名前を呼んだり、好きだったフランスパンや牛乳を毎日お供えしています。

ココアが使っていた食器や服も、ココアが生きている証が無くなるようで、かみさんも私もなかなか片付けられませんでしたが、最近なってやっと少しずつ片付けています。

最後は眼も見えなかったので、部屋・ドアのコーナーやテーブル・椅子の脚など、あらゆる角張った所に、ココアがぶつかっても大丈夫なようにクッション材を貼り付けていましたが、それも殆どそのままの状態で、我家は未だ引越し前夜のような状態です。

生前のココア

ココアは確か生後3~4ヶ月位の時に我家に来ました。

ミニチュア・ピンシャー(通称ミニピン)と言う小型犬で、外観は小型のドーベルマンといった感じです。
いわゆる「ぬいぐるみ系」の犬ではなく、「オオカミ系」の精悍な感じの犬です。

ミニピンは黒い毛並みで耳も折れているのが多いですが、ココアは茶色い栗毛色でサラブレッドのような艶やかな毛並みをしていました。耳も立っていました。

一人住まいの息子がペットショップで買って飼い始めたのですが、仕事などで自分で飼うのが難しくなって我家に連れて来ました。

ココアは気性が激しく自己主張と癇が強い犬でした。
散歩も、自分からグイグイ飼主を引っ張って自分の行きたい所に行きます。

警戒心も強く、家族以外の他人にはなかなか懐きませんでした。

散歩中も他の犬に会うと殆どの犬に向かって吠え、自分よりも大きな犬にも向かっていくような犬でしたし、
我家に来る迄あまり他の犬と遊ばなかったせいか、他の犬と遊ぶのも苦手でした。

私は動物が好きで、小さいときは何匹か犬を飼ったことが有るのでそんなココアでも大丈夫でしたが、かみさんは動物が大の苦手で動物を飼ったことが無かったので、初めて飼う犬としてはかなりハードルが高かったと思います。

ミニピンは元々家の中の鼠などを捕るために飼われていたと言われているので、大変敏捷性が有ります。
足も速く体力も有るので、若い頃は公園の草むらに連れて行くと競走馬のように走り回りました。

ミニピンの平均寿命は14歳位と言われており、国内でのミニピンの最高齢は18歳だと言われています。

ココアも14歳になった頃、両目が白内障で見えなくなり、耳も遠くなって、鼻もあまり効かなくなってきました。
急に衰えてきた感じだったので、正直なところ、もうあまり先が長くないのかなと思いました。

でも、それから少しでも長く生きさせたいと思い、近くの体育館の草むらに自転車で抱いて連れて行き散歩させると、道路を散歩させている時とは全然違って、見違えるように元気に生き生きと散歩するようになりました。
長いときは1時間位散歩し、放っておくとまだまだ散歩しそうなほどの勢いでした。

そのせいかどうか分かりませんが、あれから3年間、毎日夕方体育館に通い続け、眼が見えないので家の中ではあちこちにぶつかりながら、健気に生きてくれました。
よく頑張って長生きしてくれたと思います。

家族の一員だったココア

17年間一緒に暮らしていると、ペットと言うより我が子同然で家族の一員でした。

動物が苦手だったかみさんも、ココアのことを我が子のように可愛がるようになりました。

私もココアの事が大好きだったし、ココアも私に凄く懐いてくれて、かみさんも「ココアはお父さんの事が一番好きなのよね。」と言っていました。
夜になると私の布団に来て、必ずと言っていいほど私のそばで添い寝をしてくれました。

亡くなる前夜の土曜日、誤嚥したのか咳をするようになりましたが、亡くなる当日の朝も元気で散歩をしてご飯も食べ、夕方も散歩をしたので、まさか散歩から帰った後すぐ容体が急変するとは思いませんでした。

凄く苦しそうにして来たので早く病院に連れて行きたいと思いましたが、日曜日なので病院が休みで、午後9時からの夜間救急病院に連れて行く途中で、私の腕の中でココアは息を引き取りました。

今でも、もっと早く病院に連れて行ってやればあんなに最後苦しまなくて済んだのではないか、調子が悪いのに散歩させ過ぎてしまったのではと、後悔の念が湧いてきて自分を責めてしまいます。

私は両親が亡くなった時もあまり泣きませんでしたが、ココアが死んだ時は泣きました。
今でも時々ココアの事を思い出すと涙ぐんでしまいます。

私は相続という仕事をしている中で、亡くなった人の遺族を相続人という言い方や見方をしてしまいがちなのですが、我が子同然のココアを亡くして、今更ながら、相続人は遺族なんだということを実感しました。
改めて、遺族の悲しみや亡くなった人への感謝の気持ち、出来たらもう一度会いたい気持ち、自分を責めてしまう気持ちなどが理解出来た気がします。

私はあの世を信じない人間ですが、もし、あの世が有るとしたら、またココアと公園の草むらで走り回ったり、抱いて散歩に連れて行ったり、一緒に添い寝をしたいです。

ココア、17年間、一緒に楽しく、暖かい気持ちにさせてくれてありがとう!

この記事を書いた人

吉野喜博

吉野喜博

1951年5月、広島県広島市生れ。現住所は埼玉県所沢市。
国立呉工業高等専門学校建築学科を卒業して、建築の企画・設計・監理業務に約30年従事する。
30年前位から不動産の仕事(ビル・マンション企画開発・販売、土地の仕入れ、仲介業務等)も併行して行う。
2008年から相続の勉強に本格的に取り組む。
2016年から所沢市にて、市民の方を対象に相続勉強会と相続相談会を開催している。
2022年4月に所沢相続サポートセンターを設立。
各所で、相続セミナーの講師および相続相談会の相談員を担当。

趣味:
所沢の米で日本酒を作る会の監事、日本酒を嗜むこと、カラオケ、韓国語の勉強。

保有資格:
NPO法人 相続アドバイザー協議会認定 上級アドバイザー、
一般社団法人 相続診断協会認定 上級相続診断士、 公認 不動産コンサルティングマスター、
相続対策専門士、 一級建築士、 宅地建物取引士、 ファイナンシャルプランナー