相続対策は“手段”、目的は“幸せ”

私が行う相続のご相談では、ご家族関係やお困りごと・ご不安なことに加えて、「その問題を解決してどうなりたいのか」というご希望を最初にお伺いします。

生前対策・相続対策には、認知症・介護対策/遺産分割対策/納税対策/節税対策という大きな柱があります。

対策の手段としては財産管理等委任契約・任意後見・生前贈与・生命保険・家族信託・遺言書作成・不動産活用・尊厳死宣言・死後事務委任などが考えられます。

ただし、それらは目的を実現するための道具にすぎません。目的が違えば、最適な道具も使い方も変わります。
だからこそ、私はいつも「何のために?」からお話をお聴きします。

法律や税金は一旦脇へ――まず“幸せ像”を考える

相続の話題は法律や税金が先行しがちです。
けれど一度それらを脇に置き、親御さん・相続人などの関係者が“幸せ”でいられる状態とは何かを考えるところから始めます。
たとえば——

・認知症・要介護になっても、自分らしく人生を全うできること。
・自分亡き後は、子どもたちが揉めず、円満・円滑に承継すること。
・生前のうちに家族で率直に話し合い、納得の合意形成をしておくこと。
・自分亡き後も、配偶者や子供・孫達がこれからも幸せに暮らしていくこと。

こうした到達点が定まれば、はじめて法律・税金などの手段選択に迷いがなくなります。

私の考える「幸せで豊かな人生」5つの要素

何を“幸せ”と考えるかは人それぞれですが、私は次の5つが満たされている状態を幸せと考えています。

物質的な充足:お金が過不足なくあり、衣食住がほぼ満たされていること。

良好な人間関係:家族・周囲と争いがなく、信頼でつながっていること。

実感できる健康:多少の不調はあっても、日々を楽しめる状態の健康であること。

自由な時間:自分のやりたいことや自己実現に多くの時間が使えること。

環境の恵み:自然環境や地域社会に支えられ、心地よく暮らせること。

相続対策は、この“人生の質”を壊さず、むしろ次世代へ橋渡しする設計であればベストでしょう。

もちろん、この全てが満たされる状態はなかなか難しいかも知れませんが、目的として掲げ近づければいいと思います。

目的→設計→手段の順番で

到達点(幸せ像)が定まったら、家族会議で思いや価値観を共有し、合意形成を支援します。

そこで初めて、家族信託/遺言書/保険/生前贈与/委任・任意後見契約/不動産活用などを設計図に沿って組み合わせます。
重要なのは、節税や手続の“効率”よりも、“家族の関係性を守ること。”
数字が整っても心が離れては本末転倒です。

“争族”から“幸せ相続”へ

生前対策・相続対策の真の目的は、当事者の幸せです。
私は、親御さん・相続人の「幸せの姿」を当事者の皆さんと一緒に描き、その実現に向けて全エネルギーで伴走します。

法律や税金は大切。けれど順番は、幸せ→設計→手段
この道筋が整えば、相続は“負のイベント”ではなく、想いと絆を次世代へつなぐ儀式になります。

あなたのご家族の“幸せ像”は、どんな姿でしょうか? 
まずはそこから、ご一緒に考えましょう。


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お問い合わせ : 所沢相続サポートセンター – 相続の悩みを解決して、笑顔の相続を実現する相続コンサルタント (tokorozawa-souzoku.biz)

この記事を書いた人

吉野喜博

吉野喜博

1951年5月、広島県広島市生れ。現住所は埼玉県所沢市。
国立呉工業高等専門学校建築学科を卒業して、建築の企画・設計・監理業務に約30年従事する。
30年前位から不動産の仕事(ビル・マンション企画開発・販売、土地の仕入れ、仲介業務等)も併行して行う。
2008年から相続の勉強に本格的に取り組む。
2016年から所沢市にて、市民の方を対象に相続勉強会と相続相談会を開催している。
2022年4月に所沢相続サポートセンターを設立。
各所で、相続セミナーの講師および相続相談会の相談員を担当。

趣味:
所沢の米で日本酒を作る会の監事、日本酒を嗜むこと、カラオケ、韓国語の勉強。

保有資格:
NPO法人 相続アドバイザー協議会認定 上級アドバイザー、
一般社団法人 相続診断協会認定 上級相続診断士、 公認 不動産コンサルティングマスター、
相続対策専門士、 一級建築士、 宅地建物取引士、 ファイナンシャルプランナー