相続にまつわるトラブルの多くは、「財産の多寡」や「遺産の分け方」が直接の原因のように見えます。
しかし、問題を深く見てみると、根本的な原因は違うところにあります。
親の思いが子供に伝わっていない。子供の気持ちが親に届いていない。
こうした「思い」のすれ違いが、相続問題の本質ではないでしょうか。
親の思いが伝わらないとどうなるのか
親は自分なりに、「遺された家族がこれからも仲良く暮らして欲しい」、「自分が築いた財産を子供達が役に立てて欲しい」と願っています。
しかし、その思いを具体的に伝えないまま、「子供達ならきっと分かってくれるだろう」と考えてしまうケースが多くあります。
ところが、親が胸に秘めた思いは、話さなければ分からないし伝わりません。
子供達にとっては、「どうしてこういう遺産分割なのか」、「親は本当にこれを望んでいたのか」「自分はこのような財産は欲しくない」と、疑問や不満を抱くこともあるでしょう。
結果として、家族間の対立やトラブルに繋がってしまいます。
子供の思いも聞かれていない
一方で、子供達の思いも親に十分伝わっていないことがあります。
「自分が実家を守っていきたい」「兄弟で平等に分けたい」「生活が大変なので負担を減らしたい」「不動産は管理が大変なので欲しくない。現金で欲しい」など、子供達にもそれぞれの考えや状況があります。
そうした声が親に届いていないまま、親が一方的に遺産分割を決めてしまうことも少なくありません。
親が築いた財産なので、親が一方的に決めても良いではないかという考えもあると思いますが、受け取る相続人達がこれからも仲良く幸せに暮らしていくのが親の本当の願いではないかと思います。
お互いの気持ちや状況を共有しないまま進む相続対策は、誤解や摩擦、対立を生む温床となってしまい、円満で幸せな相続につながりません。
「思いを聴き合う場」を作ることが重要
相続は、家族全員が当事者です。親だけ、子供だけが当事者ではありません。
私は、相続問題を防ぐためには、家族全員が「お互いの思いを聴き合う場」を持つことが何よりも重要だと考えています。
具体的には、次のような取り組みが有効だと考えています。
1.家族会議の開催
親が元気な内に、家族でこれからの事を話し合う時間を作りましょう。
「財産」の話だけでなく、「親にはこれからどのように暮らして欲しいのか」「親がこれから介護が必要になったり、認知症になった時はどうするか」「誰が実家を継いでいくか」「法事やお墓は誰が承継していくか」「何を大切にして欲しいのか」といった、親の願いや価値観、子供達の気持ちを共有するのがポイントです。
2.専門家を交えた対話
相続の話は家族だけでは、なかなかしにくいものです。
家族だけでは話し合いがうまく行かないことも多くあります。
中立的な立場の専門家を交えることで、家族会議の進行がスムーズになったり、相続が円満・円滑に進むアドバイスを受けられたり、家族間の意見を整理しやすくなります。
感情的な対立を防ぎ、冷静な話し合いが可能になります。
3.気軽に話せる環境作り
相続の話題は重くなりがちです。
「遺産をどう分けるか」だけに焦点を当てず、家族として歩んできた今までの人生や家族のこれからの暮らし、家族への思いを語る場として捉えると、話しやすくなることがあります。
相続は家族の絆を深める機会
相続は「家族の絆を試される場」でもありますが、視点を変えれば「家族の絆を深めるチャンス」とも言えます。
生前の問題や相続の問題が起きる前に、親の思い、子供の思いをしっかり伝え合い、お互いを理解するまたとない機会です。
所沢相続サポートセンターでは、家族会議支援®︎を通して、家族間の円満なコミュニケーションをサポートするお手伝いをしています。
ぜひお気軽にご相談ください。
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