相続の現場に立っていると、いつも感じることがあります。
それは「相続は法律や税金の話だけでは終わらない。」ということです。

相続には、家族同士の関係性、感情、そして長年の価値観の積み重ねが深く絡み合っています。
どれだけ法律や税務の知識が正しくても、それだけでは円満な相続にたどり着けないケースが多くあります。

弁護士や税理士、司法書士、行政書士、土地家屋調査士など、相続に関わる士業の方々は、それぞれの専門分野において高いスキルを持っています。
しかし、現場で本当に困っている人たちは、複数の課題が同時に押し寄せてきて、どこから手をつければいいかわからずに立ちすくんでいます。

その「間」を埋め、家族と専門家をつなぎ、全体の舵取りをする――それが私たち相続コンサルタントの役割です。

士業と相続コンサルタントの違い

士業の方々は、法律や税務、不動産登記など、特定の分野における業務を正確に遂行する「専門職人」です。
一方、相続コンサルタントは特定の業務を代行するのではなく、家族と専門家をつなぎ、全体最適を図る総合ディレクターのような存在です。

例えば、相続財産が不動産・預貯金・株式など複数にわたる場合、税金の計算、遺産分割の法的手続き、不動産の売却や活用など、複数の分野の専門家が必要になります。
相続コンサルタントは、それぞれの専門家が円滑に連携できるように調整し、依頼者にとってベストな流れを作ります。

相続コンサルタントの社会的意義

私たちが存在することで、次のような社会的価値が生まれます。

1. 相続の問題点を明確化し、家族の想いを可視化する

相続相談をしていると、ご相談者が気づいていない問題が潜んでいることが多くあります。
また、士業の業務は「法律」「数字」が基盤ですが、相続の背景には必ず人間関係があります。
家族間での誤解や温度差、心のしこりが解消されないまま手続きを進めると、後で大きな争いになることもあります。
相続コンサルタントは、相続の問題点を明確化し、家族会議を通じて一人ひとりの想いを引き出し、合意形成へ導きます。

2. 全体像を描き、優先順位を決める

相続には、財産の把握、生前対策、財産の引き継ぎ、納税資金準備、節税対策、不動産活用、事業承継対策、相続手続き、相続後の生活設計など、さまざまな課題があります。
依頼者の状況を整理し、「どこから手をつけるか」を明確にすることで、無駄や混乱を防ぎます。

3. 士業間の橋渡し

複雑な相続では複数の士業が関与しますが、士業同士は普段から連携しているわけではありません。
相続コンサルタントは依頼者の立場で情報を整理・共有し、士業間の意思統一をサポートします。

実例:家族会議支援で実現した円満相続

お母様は90歳近くで、独身の二男と同居していましたが、最近、認知症の症状が現れ始め、時々徘徊もされるようになっていました。
生前対策や相続対策を早急に進める必要がありましたが、3人きょうだいのうち長男と次男の関係が悪く、話し合いが全く進まない状態でした。

このままでは対策が立てられないと、末っ子の娘さんから私に相談がありました。
私はまず、状況を整理し、家族会議を開催することを提案しました。
事前打ち合わせを重ね、家族会議本番に臨みました。

家族だけでは難しかった話し合いも、第三者である私が進行役となることで、冷静に意見交換ができるようになりました。
最終的に4回の家族会議を経て、全員が納得する対策案がまとまり、速やかに対策を実行することで、円満な相続の実現へとつなげることができました。

この経験からも、感情の壁を越えた合意形成こそが、相続コンサルタントの大きな使命だと改めて感じています。

(※)個人情報のため、内容を一部変更して記載しています。

存在意義――誰も専任でやらない領域を担う

相続コンサルタントの存在意義を一言で表すなら、
**「家族の幸せと相続の円満解決をゴールに据え、専門知識を統合して伴走する唯一の存在」**です。

士業はそれぞれの専門領域にフォーカスしますが、相続コンサルタントは全体のバランスを見ながら、感情面・人間関係面のケアも含めて伴走します。
「何から始めればいいかわからない」という迷いを解消し、安心して次の一歩を踏み出せるように導く――これは誰も専任ではやっていない領域です。

私の願いと使命

相続で困っている人を助けることは、単に1つの案件を解決するだけではありません。
家族の争いを防ぎ、安心して暮らせる環境を作ることは、社会全体の困りごとを減らすことにつながります。

私は、相続を通じて、すべての命が等しく、自分らしく幸せに生きられる世界になってほしいと願っています。
そのために、一つひとつの家族の課題に丁寧に向き合い、想いをつなぎ、専門家と協力して最善の形をつくり上げる――それが私の使命です。

相続コンサルタントがいるからできること

相続コンサルタントは、士業の専門知識と家族の想いをつなぎ合わせることで、法的にも感情的にも納得できる相続を実現します。
相続を「不安と混乱の時間」から「未来につながる時間」に変えるために、欠かせない存在になりたいと思います。

これからも、一人でも多くの方が安心して相続を迎えられるよう、そして、次の世代が笑顔で未来を迎えられるよう、全力で伴走していきます。

相続を争いの種ではなく、家族の絆を強くする物語」にしたい。
相続コンサルタントはその道先案内人になりたいと思います。


お問合せ・ご相談先

TEL : 090-5580-1050
Mail : yoshino-y0529@nifty.com

お問い合わせ : 所沢相続サポートセンター – 相続の悩みを解決して、笑顔の相続を実現する相続コンサルタント (tokorozawa-souzoku.biz)

この記事を書いた人

吉野喜博

吉野喜博

1951年5月、広島県広島市生れ。現住所は埼玉県所沢市。
国立呉工業高等専門学校建築学科を卒業して、建築の企画・設計・監理業務に約30年従事する。
30年前位から不動産の仕事(ビル・マンション企画開発・販売、土地の仕入れ、仲介業務等)も併行して行う。
2008年から相続の勉強に本格的に取り組む。
2016年から所沢市にて、市民の方を対象に相続勉強会と相続相談会を開催している。
2022年4月に所沢相続サポートセンターを設立。
各所で、相続セミナーの講師および相続相談会の相談員を担当。

趣味:
所沢の米で日本酒を作る会の監事、日本酒を嗜むこと、カラオケ、韓国語の勉強。

保有資格:
NPO法人 相続アドバイザー協議会認定 上級アドバイザー、
一般社団法人 相続診断協会認定 上級相続診断士、 公認 不動産コンサルティングマスター、
相続対策専門士、 一級建築士、 宅地建物取引士、 ファイナンシャルプランナー