生と死が織りなす、終わらない生命の営み

人間は誰もがいつか必ず死を迎えます。
だからこそ、折に触れて自分の死生観を考えてみるのは大切なことではないでしょうか。

私は、生命というのは「生→死→生→死…」と絶えず変化を繰り返すことで、途切れることなく続いていくものだと考えています。
死がなければ、この世界に新しい命は生まれません。
死があるからこそ、生命は新たに始まり、進化し発展していく。
死があるから生は輝く。

だから死は決して忌むべきものではなく、むしろ次の命を紡ぐために必要な、大いなる自然の営みの一部だと思っています。

死んだ細胞が支える命、そして絶え間ない循環

私たちの暮らす地球では、毎日、数えきれないほどの生命が死に、また数えきれないほどの生命が生まれています。
その大きな流れは、人間の体の中にもあります。

私たちの体を形づくる細胞は、小宇宙ともいえるほど精妙で、それぞれの周期で死んでは生まれを繰り返しています。
皮膚も血液も内臓も、古い細胞が死んで、新しい細胞が生まれて入れ替わる。だからこそ私たちは生き続けられています。

テレビで見た話ですが、木もまた同じです。
大きな樹木は、その約90%が死んだ細胞でできているそうです。
中心部の心材と呼ばれる部分はすでに死んだ細胞で、それが木の骨格となって木全体を支えています。
一方、外側の辺材の死んだ細胞である導管は、水を運んで血管のように働き、木が生きるために必要なものとなっています。

そして朽ちて倒れた木(死)は、やがてそこからまた新しい芽(生命)が生まれます。
死は終わりではなく、生きている命を支え、次の命のはじまりです。

来世は信じないけれど、宇宙の法則は信じている

来世や死後の世界を信じられる人は幸せだと私は思います。
亡くなった大切な人に、またいつかあの世で会える。
先に逝った家族や祖先の人々が天国から見守ってくれている。そう思えるのは、どれだけ心強く、救われることでしょう。

ですが私は正直なところ、死後の世界は信じていません。
天国や極楽浄土といった人間が描いた世界は、現世の人の心を慰めたり、現世を前向きに生きることを促したり、幸せを感じたり、死に対して安心感を得るための人間の創作物ではないかと感じています。(個人的感想です)
見える世界だけが全てではないと分かっていますが、死んだ後の世界があるかないか、それを見た人は誰もいませんし、私には確かめる術もありません。

死後の世界は信じていませんが、その代わりに私が信じているのは、宇宙の法則や大自然の摂理です。
地球は何十億年もの歳月をかけて、海や大地、空気を生み出し、そこに無数の生命が生まれました。
私たち人間の体もまた、小宇宙のように臓器や血管、神経が絶妙に働き合い、私たちの命を支えています。

こうした大自然の摂理や宇宙の法則こそ、私にとって「神」のようなものです。
だから私は毎朝、両親や家族、祖先、そして今日もこうして生かされていることに感謝しながら手を合わせています。
死後の世界は信じなくても、命を繋いでくれた祖先や大自然には感謝しかありません。

一度きりの命を、できるだけ楽しみたい

私は死んだら、身体も魂も無に帰って、土や海に還りたいと思っています。
これまで私が生きてこられたのは、おびただしい数の動植物の命をいただいてきたおかげです。
だから自分が死ぬときには、自分の体を微生物や動物、魚に食べてもらって、少しでも恩返しがしたい。
自然の循環の中に還り、新しい生命の糧になることができたらというのが私の願いです。

そのためには土葬や風葬、海葬などで自然に還る方法が一番いいのですが、現代の法律では難しいのが現実です。

私は私が死んだ時、戒名は必要ないと考えていますし、葬儀もささやかなお別れ会をしてくれれば十分です。
お墓も合葬墓か、ささやかな樹木葬で十分です。

そして、どうせ一度きりの人生です。
だからこそ、生きている間はできるだけこの生命を楽しんで、生命の終わりを迎えたいと思っています。

死は終わりではなく、また次の生命を始めるためのプロセス。
私もその大きな循環の中の一つの命として生き、やがて死んで、また次の命を育む糧となる──それで十分だと考えています。

あなたの死生観も聴かせてください

私は相続コンサルタントとして、多くの方の人生の節目に寄り添ってきました。
今回は、私の死生観を書かせて頂きましたが、皆さんそれぞれの死生観をお持ちだと思います。私の死生観を押し付けるつもりは毛頭ありません。皆さんの死生観を尊重します。
相続の相談を受けるとき、もしよければあなたの死生観も聴かせてください。

なぜなら、どんな死生観を持っているかで、生前対策や相続対策の考え方も変わってくるからです。
死について話すのは少し勇気が要るかもしれません。
でもそれは、これからをどう生きるか、どう遺すかを考えるための大切な時間でもあります。

どうか遠慮なく、あなたの考えを聴かせてください。


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お問い合わせ : 所沢相続サポートセンター – 相続の悩みを解決して、笑顔の相続を実現する相続コンサルタント (tokorozawa-souzoku.biz)

この記事を書いた人

吉野喜博

吉野喜博

1951年5月、広島県広島市生れ。現住所は埼玉県所沢市。
国立呉工業高等専門学校建築学科を卒業して、建築の企画・設計・監理業務に約30年従事する。
30年前位から不動産の仕事(ビル・マンション企画開発・販売、土地の仕入れ、仲介業務等)も併行して行う。
2008年から相続の勉強に本格的に取り組む。
2016年から所沢市にて、市民の方を対象に相続勉強会と相続相談会を開催している。
2022年4月に所沢相続サポートセンターを設立。
各所で、相続セミナーの講師および相続相談会の相談員を担当。

趣味:
所沢の米で日本酒を作る会の監事、日本酒を嗜むこと、カラオケ、韓国語の勉強。

保有資格:
NPO法人 相続アドバイザー協議会認定 上級アドバイザー、
一般社団法人 相続診断協会認定 上級相続診断士、 公認 不動産コンサルティングマスター、
相続対策専門士、 一級建築士、 宅地建物取引士、 ファイナンシャルプランナー