相続の勉強会や相談会で感じることがあります。
それは、ほとんどの人が相続や終活について、家族で話し合ったことがないということです。
相続対策を行うにあたり、家族での話し合いが大切だと分かっている人でも、なかなかその機会は作れない、或いは、財産内容に関わるデリケートな事柄を含むので、話し合うことに躊躇してしまう人もいると思います。
それでも、円満な相続を実現するためには、親の生前に家族で話し合うことがとても大切です。
それには理由があります。
家族会議は主張の場ではない
それは、家族それぞれ親の相続に対する当事者意識や、我が家の問題に対する問題意識がバラバラだということです。
「今すぐ対策しないと危ない」と感じている人、「まだ先の話だ」と思っている人、「自分はあまり関係ないし関わりたくない」と距離をおいている人、「親がどうしたいのか分からないので何もできない」と放置している人。
この意識のズレがあるままでは、話し合いはかみ合わないし、相続対策は進みません。
だからこそ家族会議は大切です。
家族会議は、我が家の問題点を共有し、お互いの気持ちや考えを聴き合い共有する場です。
自分の考え・想いを伝えることは勿論大切ですが、自分の考えだけを強く主張しようとすると、他の人の気持ちを聞く耳を失ってしまいます。
そうなれば、どんな対策もうまく進みません。
家族会議は、たくさん話す場ではなく、“きき合う場”。 そうなれば素晴らしい時間になると思います。
相続は、家族全員が当事者
相続は、家族の特定の誰かだけの問題ではありません。家族全員が当事者です。
だからこそ、まず大切なのは、
「当事者全員の気持ちはどうなのか」を知ることです。
人は、自分の気持ちを最後まで聴いてもらえると、心が落ち着きます。
そして不思議なことに、聴いてもらえた人ほど、今度は相手の話を聴こうとします。
家族会議は、結論を急ぐ場ではありません。まずは気持ちを揃える場であり時間です。
聴き合うことで分かった“本当の気持ち”
実際にこんな案件がありました。
相続人は兄と弟と妹3人。
亡くなった母親の遺産の分け方で、長男は約2,000万円ほどの自宅土地建物と、預貯金数百万円の3分の1の取得を主張。
弟と妹は、自宅土地建物は長男が相続することを認めるが、預貯金は自分たち二人が取得したいと主張。
主張は平行線で折り合わず、関係性も悪くギクシャクしていました。
弟さんからどうしたらいいかと相談がありました。
私から家族会議を提案させて頂き、皆さんの了解を得て家族会議を開くことになりました。
家族会議では、それぞれの想いを話し、それをお互いが聴き合いました。
すると、長男は自分のために多くを求めているのではないことが分かりました。
3年前、脳梗塞を発症して右半身不随となり要介護4だった母親を、亡くなるまでずっと自宅で介護していたのは、長男の妻でした。
その妻の労に報いたい。感謝を形にしたい。
その想いから、預貯金の3分の1も主張していたのです。
その話を聴いた弟と妹は、「それなら分かるよ」「お義姉さんには本当にお世話になった」と、自分たちの気持ちも話されました。
二人とも、長男の妻への感謝の気持ちは持っていました。
結果として、預貯金は弟と妹で分けることに。
その上で、二人から長男の妻へ、感謝の気持ちとして金銭を贈与することになりました。
家族会議でお互いの気持ちを聴き合ったからこそ、対立は解け、争わない相続になることができました。
きき合うことは、家族の心をつなぐ
もし、このままお互いに自分たちの主張を続けていたら、この相続は争いになっていたかも知れません。
相続で揉める原因の多くは、お金ではなく感情・コミュニケーションの問題です。
「分かってもらえない」という気持ちです。
家族会議は、たくさん話す場ではありません。きき合う場です。
相続は、財産を分ける作業だけではなく、家族が想いを共有し伝え合うことでもあります。
当事者全員が聴き合い気持ちを共有できたとき、はじめて円満な相続への道が開けます。
家族会議は、主張の場ではなく、家族の心をつなぐ場であり時間。
私はこれからも、この「きき合う場」を大切にしながら、お客様の円満相続を実現するためサポートしていきたいと思います。
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