AIが作る「生きた証言」

戦争を直接体験した世代は、年々少なくなっています。
戦場での出来事、家族や友人を失った悲しみ、平和への切なる願い——こうした生の声をどう残し、次世代に伝えていくかは、日本社会が直面している大きな課題です。
最近のニュースで紹介されたのは、AIを使って戦争体験を後世に継承する新しい方法でした。
体験者が自らの記憶や感情、当時の状況を詳細に語り、それをAIが学習します。さらには、本人の声や姿も再現し、質問に応じてまるで本人と会話しているように答えてくれるというのです。

この技術を使えば、戦争体験者が亡くなった後でも、後世の人々は直接対話するように体験を聞けます。
「戦時中の暮らしはどんな日々でしたか?」「あの頃、何が一番つらかったですか?」「戦争が終わった時は、どんな気持ちでしたか?」——そうした質問に、本人の声と表情で答えが返ってくるのです。
紙や映像の記録とは違い、双方向のやりとりができるため、聞く側の興味や理解度に応じて会話が深まります。
これは単なる記録保存ではなく、「体験そのものを未来に生き続けさせる」方法と言えるでしょう。

家族や大切な人との対話も

この技術の可能性は、戦争体験の継承にとどまりません。
もし家族や大切な人が生前に、自分の思い出や価値観、家族への思い、人生の教訓などをAIに残しておけば、亡くなった後もその人と会話ができます。
たとえば、祖母の得意料理の作り方を聞いたり、父が人生で大事にしてきた考え方を尋ねたり、父と母の出会いについて尋ねたり、どのような思いで子供達を育ててきたか聞いたり——まるで隣に座って話してくれているように感じられるでしょう。
もちろん、実際の人間と同じではありませんが、心の支えや家族の絆をつなぐ手段になり得ます。

技術がもたらす新しい「つながり」

AIを使った対話型アーカイブは、記憶を単なる過去の記録として閉じ込めるのではなく、未来へ向けて開く扉になります。
この技術は相続にとって大変有効な可能性を秘めています。
相続は財産の継承だけではなく、親や先人の想いを続けていくことこそ相続と言えるので、この技術はその手段として今までにない可能性があります。

ただし、この技術を活用するには、倫理やプライバシーの問題も慎重に考える必要があります。
本人の意思を尊重し、正確な情報を残す仕組みづくりが不可欠です。
それでも、失われてしまうはずだった声や思いが、世代を超えて届く可能性は、かつてない希望をもたらしてくれるでしょう。

おわりに——記憶を未来へ

人の命は限りがあります。
しかし、その人の言葉や想いは、伝え方次第で永遠に生き続けることができます。
「亡くなった後でも対話できる時代」は、決してSFの世界ではなく、現実に近づいています。

戦争体験から家族の想いまで、大切な記憶をどのように継承し残して行くか——それは今を生きる私たちが先人から学び、これから作っていく未来にかかわってきます。


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この記事を書いた人

吉野喜博

吉野喜博

1951年5月、広島県広島市生れ。現住所は埼玉県所沢市。
国立呉工業高等専門学校建築学科を卒業して、建築の企画・設計・監理業務に約30年従事する。
30年前位から不動産の仕事(ビル・マンション企画開発・販売、土地の仕入れ、仲介業務等)も併行して行う。
2008年から相続の勉強に本格的に取り組む。
2016年から所沢市にて、市民の方を対象に相続勉強会と相続相談会を開催している。
2022年4月に所沢相続サポートセンターを設立。
各所で、相続セミナーの講師および相続相談会の相談員を担当。

趣味:
所沢の米で日本酒を作る会の監事、日本酒を嗜むこと、カラオケ、韓国語の勉強。

保有資格:
NPO法人 相続アドバイザー協議会認定 上級アドバイザー、
一般社団法人 相続診断協会認定 上級相続診断士、 公認 不動産コンサルティングマスター、
相続対策専門士、 一級建築士、 宅地建物取引士、 ファイナンシャルプランナー