不動産を相続する場合、まず土地を思い浮かべます。しかし、当然ですが建物も不動産です。
相続したあと困らないように、不動産を相続するとき、建築について最低限調べた方が良いことをお伝えします。
どんなことに気を付けるか
一番目:外から見ただけでは分からないことに気を付ける。
二番目:後から修理するのが大変なことに気を付ける。
具体的には
1.その土地が、建築基準法上の道路に2m以上接しているか?
2.違反建築物や既存不適格建築物ではないか?
3.柱、梁、構造壁、根太・大引(床材)、土台などの主要構造部は大丈夫か?
4.設備関係、建具関係は大丈夫か?
などです。
今回は、一番目の建築基準法上の道路への接道についてお伝えします。
建築基準法上の道路に接しているか?
建築基準法上の道路に2m以上接していないと、原則、建物を建てることが出来ません。
接していなくても資材置場や駐車場、畑などとして使うことは出来ます。
しかし、建物が建てられないと土地の価値は大きく下がります。
気を付けなければいけないのは、一見すると問題の無い道路に見えますが、建築基準法上の道路ではないことが有ります。
特に、以下のような道路は注意して下さい。
1.大きな土地に道を1本造って入れ(位置指定道路と言い、建築基準法上の道路)、道路の周囲にいくつか宅地を造っている場合。
一番奥の宅地まで、位置指定道路が延びていないことが稀に有る。(宅地が道路に接していない。)
又は、一番奥の宅地が、位置指定道路に2m以上接していないことが有る。
2.一見すると位置指定道路が入っているように見えるが、位置指定道路ではなく通路である。
3.人や自転車は通行していて道路状になっているが、水路の暗渠(地下に水路が有り、上に蓋がしてあるもの)であり、建築基準法上の道路ではない。
4.遊歩道になっており、人や自転車は通行しているが、建築基準法上の道路になっていない。
5.現在は道路沿いに建物が建っているが、建築基準法施行時(昭和25年11月)に道路沿いに建物が無く、建築基準法上の道路に指定されていない。
6.建築基準法上の道路と敷地の間に、細長く他人の私有地が入っていて、敷地が道路に接していない。
7.河川の堤防の上にある道路で河川管理の土地として指定され、建築基準法上の道路でない。
8.敷地に沿って建築基準法上の道路が通っているが、敷地と道路の高低差が大きく、建築基準法上の道路に接していると認められない。
9.生産緑地などの農地のための道路(農道)であり、建築基準法上の道路に指定されていない。
などです。
まとめ
土地が建築基準法上の道路に接しているか、いないかは大きな問題です。
建物を建てようと思っても建てられない。売却しようと思ってもかなり安くないと売れない。
遺産分割する場合も、土地の評価額が大きく変わる。
建築基準法上の道路に接していない事を知らないで土地を相続した場合、後々大きなトラブルになります。
生前に遺言書を書く時も必須の知識です。
しかし一般の方は、外から見ただけでは分からないので、建築基準法上の道路なのかそうではないのかは、判断するのがなかなか難しい面も有ります。
場合によっては、役所や法務局などに行って調査する必要が有ります。
道路について気になることが有る方は、後々大きなトラブルを起こさないために、ぜひご相談ください。
ご連絡先 TEL : 090-5580-1050 Mail : yoshino-y0529@nifty.com