いま、NHKの朝ドラ「とと姉ちゃん」が再放送されています。ご覧になっている方も多いかもしれません。
この物語は、戦後の混乱の中から雑誌『暮らしの手帖』を創刊した大橋鎭子さんと、編集長の花森安治さんをモデルにしています。
先の戦争によって人々の「当たり前の暮らし」は失われました。食べること、着ること、住むこと──生きるために欠かせない日常が破壊されました。
そんな中で彼らは、「人々の暮らしを少しでも良くしたい」「当たり前の暮らしを大切にしたい」という思いから雑誌を作りました。企業から独立した存在とするために広告は載せず、読者の生活に寄り添う丁寧な記事ばかり。まさに“生活を守るための雑誌”でした。
ささやかな暮らしだが、生きていること自体が幸せ

私もこのドラマを観ていて、「まず、自分たちのささやかな暮らしを大切にすること」こそが、今の時代にいちばん必要なのではないかと感じています。
聖路加国際病院の名誉院長だった日野原重明先生も、生前、「暮らしを大切にすること、平和を大切にすること、命を大切にすることが何よりも大事だ」と語っておられました。
この夏も、戦争をテーマにした映画やテレビのドキュメンタリー番組をたくさん観ました。
先の大戦で、子どもや若者を含む三百万人以上の日本人が亡くなりました。
一度しかない人生。それなのに、夢半ばで命を絶たなければならなかった人々。その無念を思います。
それに比べ、いま私たちはこうして生きています。多少の病気や不調はあっても、食事ができ、好きな人と話ができ、季節の移ろいを感じられる──それだけで、実はとても幸せなことなのだと思います。
人はつい、「もっとお金があれば」「もっと便利な生活ができれば」と上を見がちです。けれど、どれだけ物が豊かでも、心が満たされていなければ幸せとは言えません。
今、ここに生きていること。家族や友人、そして先祖や自然に支えられて生かされていること。その「当たり前」に気づき、感謝することが、幸せの第一歩だと思います。
私自身、最近は「自分の体に感謝しよう」と意識するようになりました。年齢を重ねると、あちこち不具合も出てきますが、それでも体が働いてくれるからこそ、こうして日々を送ることができます。
次の世代に何を引き継ぐか
そして、今を生きる私たちには、次の世代へ何を残すかという責任もあります。
それはお金や物だけではなく、思いやりの心、他人のためにつくす心、命を大事にする、平和を大切にする、暮らしを大切にする姿勢といった“心の遺産”ではないでしょうか。
先祖に感謝し、周囲の人の幸せを願いながら、自分にできる小さなことを積み重ねていく。
掃除をする、笑顔であいさつする、周囲に感謝する、謙虚な姿勢で接する、ちょっとした人が喜ぶことをする、道端の花を愛でる──そんな些細なことの中に、人生の喜びが宿っています。
「とと姉ちゃん」が伝えているのは、“暮らしこそが生きること”というメッセージです。
私もこれからの人生を、ささやかな暮らしを大切にしながら、感謝の心で生きていきたいと思います。
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