相続と不動産は切っても切れない関係にあります。
相続で揉めないで円満な相続を実現したい場合、不動産をどうするか、誰にどのように引き継ぐかを考えることは必須です。

不動産は、人間の生活に不可欠な衣・食・住のうちの一つであり、住む所、働く所、外食する所、遊ぶ所、山林、田畑、道など、日本に住んでいる限り、全て、土地・建物などの不動産が私たちの生活に関係しており、不動産は生活の基盤です。

不動産は、相続財産の中で占める割合が高い。

不動産は全て所有者、借地権者、借家権者がいますので、これらの人達が亡くなったら当然相続が絡んできます。

相続税申告における、相続財産に占める不動産の割合は40%位になっています。
相続税の対象者は被相続人の10%程度であり、9割の人はもっと不動産の割合は高いと思われます。
以前ほどではないにしろ、相続財産に占める不動産の割合は高いと言えます。
相続財産が、自宅と預貯金が少しの人の場合、不動産の割合が70%~80%以上になるでしょう。

最近は不動産を所有するより利用する流れになっていますが、かなりの人が何らかの権利者だと言えます。

不動産には、もめる原因がたくさん潜んでいる。

不動産には、もめる原因がいろいろ潜んでいます。

1.最大の原因は、不動産は分けるのが難しいこと。
物理的に平等に分けることは、殆ど不可能です。

共有にすれば平等になりますが、兄弟姉妹間の共有は、兄弟姉妹が亡くなると共有者がねずみ算式に増えていく可能性が大きく、賃貸・活用・売却時の全員合意が非常に難しくなっていきます。

2.その不動産に住んでいたり、事業をしている場合。
被相続人の自宅に配偶者や子供が一緒に住んでいたり、被相続人が事業をしていた店舗等の事業資産を、一緒に事業をしていた子供が引き継ぐ必要がある場合。
これらの自宅や事業用資産は、配偶者や一緒に住んだり事業をしている子供が引き継ぐ必要がありますが、他の相続人から法定相続分を主張されてもめる可能性があります。

3.不動産の価格は高い
不動産の価格は高いものが多く、不動産を相続する人としない人では大きな不均衡が生ずることがしばしば起きます。
不動産を相続しない人の遺留分を侵害したり、不動産を相続する相続人が他の相続人に代償金を支払うにしても高額なので支払えないといった問題があります。

4.不動産の価格は把握するのが難しい。
遺言書を書いたり遺産分割協議をする時、不動産の価格を知りたいと思いますが、この価格を把握するのがなかなか難しいです。
遺産分割は民法の世界なので、基本的に不動産は時価で評価します。
時価とは、実際に売買される時の価格です。
ですから、その不動産を実際に売却してみないと、その価格は分かりません。

時価を補う方法として、不動産鑑定士に依頼して鑑定評価をしてもらったり、不動産会社に査定してもらったりしますが、それらはあくまでも推定です。
相続人全員が合意すれば、公示価格や相続税路線価、固定資産税評価額を使うこともできますが、原則は時価なので、時価で遺産分割しようとすると不動産の価格をいくらにするかで揉めることになります。

5.不動産は個性的な財産
不動産は個性的な財産で、同じ不動産は二つと無いと言っても過言ではありません。

間口・奥行き・形状、道路が東西南北のどちら側か、道路幅員、日当たり、風通し、駅距離、交通量、用途規制、斜線制限、騒音などなど、すべて違います。

同じ画地の中でも、角地かそうでないか、道路付け、道路幅員などによって価値が違ってくるので、どこを相続するかで価格が異なり、揉める原因となります。

6.負動産が有るともめる。
売ることも貸すことも活用することもできない実家や田畑、山林。
入居率が悪く修繕費もかかる賃貸古アパートや賃貸古マンション、賃貸古店舗。
原野商法で買わされた土地や、今では寂れた別荘地・リゾートマンション。
共有者が多く、売却・賃貸などの意志決定が困難な塩漬け不動産。
隣接地との境界が確定できないか争いのある土地。

上記のような負動産が有ると、誰が相続するかで揉めることになります。

まとめ

以上述べたように、不動産は殆どの人の相続に関わっており、また不動産には揉める原因がたくさん潜んでいます。

相続時に揉めないためには、生前の不動産対策が不可欠です。
生前に対策をすることで、揉め事を未然に防ぐことができます。

また、負動産の対策の場合、その不動産のことが分からない子世代が対策するより、よく分かっている親世代がするのが一番です。
負動産を優良資産にして子世代に引き継げば、相続で揉めることはありません。

揉めないで幸せな相続を実現するために、ぜひ生前に不動産の対策を行なってください。

どのように不動産の対策をしたらいいか分からない方は、ご相談ください。

相談先 吉野喜博  TEL : 090-5580-1050   Mail : yoshino-y0529@nifty.com

この記事を書いた人

吉野喜博

吉野喜博

1951年5月、広島県広島市生れ。現住所は埼玉県所沢市。
国立呉工業高等専門学校建築学科を卒業して、建築の企画・設計・監理業務に約30年従事する。
30年前位から不動産の仕事(ビル・マンション企画開発・販売、土地の仕入れ、仲介業務等)も併行して行う。
2008年から相続の勉強に本格的に取り組む。
2016年から所沢市にて、市民の方を対象に相続勉強会と相続相談会を開催している。
各所で、相続セミナーの講師および相続相談会の相談員を担当。

趣味:
所沢の米で日本酒を作る会の監事、日本酒を嗜むこと、カラオケ、韓国語の勉強。

保有資格:
NPO法人 相続アドバイザー協議会認定 上級アドバイザー、
一般社団法人 相続診断協会認定 上級相続診断士、 公認 不動産コンサルティングマスター、
相続対策専門士、 一級建築士、 宅地建物取引士、 ファイナンシャルプランナー