先週、映画「PLAN75」を観に行きました。

サンデー毎日に載っている髙橋源一郎さんのコラムでこの映画のことが書いてあって、観たいと思いました。

観たのは田端駅から5分位歩いた所にある、「シネマチュプキ田端」という座席数20の日本で一番小さいと言われている映画館です。

ちなみにこの映画館は、眼が見えなかったり見えづらい人、耳が聞こえなかったり聞こえづらい人、といった障害を持っている人でも映画を楽しめるようにと、6年前に作られた映画館のようです。
車椅子で来た人が観られるスペースも有りました。

観たのは、この映画の上映最終日でした。

「プラン75」ってどんな映画?

この映画は少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本を描いています。

2025年には75歳以上の人口が2000万人を超え、国民の5人に1人が75歳以上になると言われています。

国や現役世代の人々が超高齢社会の負担に耐えきれなくなり、様々な物議が醸し出されますが、超高齢社会の解決策として、プラン75に世間は受け入れムードとなり、満75歳から生死の選択権を与える「プラン75」が国会で可決・施行されます。

プラン75とは、プラン75を選択した75歳以上の高齢者は、一時金として10万円を貰って使い、その後、安楽死をするための施設に向かい人生を終える制度です。

昔「楢山節考」という、70歳になる老人を山に捨てに行く映画が有りましたが、その現代版のような映画です。

この映画の主人公は、夫と死別して一人で慎ましく暮らす78歳の女性です。

ある日彼女は、高齢を理由にホテルの客室清掃の仕事を突然解雇されます。
彼女は色々仕事を探しますが、深夜の交通整理の仕事しか無く、高齢の彼女にとっては冬の深夜の外での仕事は厳しく、仕事を続けることは出来ませんでした。

生活費が不足し、高齢で無職の彼女に貸してくれる住宅も無く、元同僚が孤独死しているのを見た彼女は、プラン75を検討した上で申し込みます。

映画を観て感じた事

この映画はリアリティがあり、70歳を超えている私は観ていて辛いものがありました。

自己責任が言われる世の中です。

また、早川千絵監督が言っているように、相模原障害者施設殺傷事件や、政治家や著名人の生産性云々の差別的発言など、役に立たない者、生産性が無い者は生きている価値が無いとする考え方は、世の中にある程度広がっているのかも知れません。

超高齢社会になって、本人の意志で安楽死を選択できるというのは、私は選択肢として有ってもいいのではないかと思います。
私は人生の最後には気持ち良く死にたいと思っているので、不治の病気ですごく辛かったら安楽死させてもらいたいと思っています。

しかし、周囲や社会からの雰囲気やどうしようもない状況に追い込まれて、あたかも本人の意志で選択したように安楽死を選択させられるとしたら、それはどうなのでしょう。

長生き出来ることは、基本的にはありがたい事です。
長生き出来る人生を楽しんで人生を終わりたいものです。

これから、iPS細胞で悪い細胞を入れ替えるなどの医学が進歩したら、人間はもっと長生きするでしょう。

しかし、国の財政は大赤字で国債頼りの借金漬け、非正規雇用で低収入の人達が増え、低年金の高齢者の増大、益々の少子高齢化など、これからの将来に明るい気持ちになれない現実も有ります。

人々の暮らしに余裕が無くなれば、心も他人に対して不寛容になり、高齢者に対する見方が厳しくなることが考えられます。

この映画は、これからの超高齢社会の日本をどうすればいいのか、どうすればみんなが幸せに暮らせる世の中になるのかを考えさせられる映画でした。

誰もが、幸せな人生だったと思って旅立てる世の中になって欲しいと願いました。


この記事を書いた人

吉野喜博

吉野喜博

1951年5月、広島県広島市生れ。現住所は埼玉県所沢市。
国立呉工業高等専門学校建築学科を卒業して、建築の企画・設計・監理業務に約30年従事する。
30年前位から不動産の仕事(ビル・マンション企画開発・販売、土地の仕入れ、仲介業務等)も併行して行う。
2008年から相続の勉強に本格的に取り組む。
2016年から所沢市にて、市民の方を対象に相続勉強会と相続相談会を開催している。
各所で、相続セミナーの講師および相続相談会の相談員を担当。

趣味:
所沢の米で日本酒を作る会の監事、日本酒を嗜むこと、カラオケ、韓国語の勉強。

保有資格:
NPO法人 相続アドバイザー協議会認定 上級アドバイザー、
一般社団法人 相続診断協会認定 上級相続診断士、 公認 不動産コンサルティングマスター、
相続対策専門士、 一級建築士、 宅地建物取引士、 ファイナンシャルプランナー