分譲マンションの相続税評価額が大きく変わりそうです。(来年1月から適用予定)

場合によっては評価額が2倍位になることも!
今迄は相続税が発生しないと思っていたのが、来年から発生する可能性が有ります。

都市部に居住されている方で、多くの人が住んでいる分譲マンション。
大きな影響が有りそうです。

現在の評価のしかた

現在の分譲マンション(一室)の評価額は、国税庁の財産評価基本通達というものに基づき計算しています。
建物の評価額と敷地(敷地利用権)の評価額の合計です。

建物の評価額=固定資産税評価額
敷地の評価額=敷地全体の面積×共有持分×㎡単価(路線価等)

これを組み合わせて計算すれば良いので、割と簡単に計算できます。

しかしこれで計算すると、実勢価格との間に大きな乖離が生じています。
マンションの場合、全体の敷地面積を戸数で分けるため、戸数が多い高層マンションであるほど1戸当たりの土地の持分は小さくなります。

人気のある高価格の高層階ほど、実勢価格と評価額の差が大きくなる傾向があります。
この差を使って「マンション節税」や「タワマン節税」が行なわれています。
タワーマンションの相続税評価額は実勢価格の20~25%と言われています。

この相続税負担の不公平を是正するために、国税庁が今回動いたということです。

見直し後はどうなるか?

見直し案は、築年数、総階数、所在階、敷地持分狭小度の4つの指数に基づいて評価額を補正することになっています。

①上記4つの指数に基づいて、評価額と実勢価格の乖離の割合(乖離率)を計算。
②乖離率が約1.67倍以上の場合、従来の評価額に乖離率と0.6を掛ける。

式で書くと、見直し後のマンション一室の相続税評価額=
現行の相続税評価額×当該マンション一室の評価乖離率×最低評価水準0.6(定数)

このように見直すことで、分譲マンションの評価額を引き上げ、戸建ての平均乖離率(1.66倍)にそろえる狙いのようです。
でも、この計算式だけ見ても何のことかよく分かりませんね。

国税庁の調査によると、マンションの実勢価格を相続税評価額で割った乖離率は、18年の全国平均値で2.34倍に達しています。
また20階以上のマンションに限ると、乖離率は3.16倍となっています。大半の住戸で税負担が増える可能性が有りそうです。

築年数が浅いマンション、高層マンション・超高層マンション、所在階が上階のマンションにお住まいの方は特に要チェックですね。

分譲マンションにお住まいで心配な方は、専門家に依頼してチェエックしてみてください。

今回は分譲マンションだけの見直しですが、今後、戸建て住宅についても、実勢価格と相続税評価額の乖離が大きいものについては見直しが行なわれるかも知れませんので、注意が必要です。


参照: 不動産フォーラム21 2023年8月号 
    日本経済新聞 2023年6月27日朝刊、7月22日朝刊

この記事を書いた人

吉野喜博

吉野喜博

1951年5月、広島県広島市生れ。現住所は埼玉県所沢市。
国立呉工業高等専門学校建築学科を卒業して、建築の企画・設計・監理業務に約30年従事する。
30年前位から不動産の仕事(ビル・マンション企画開発・販売、土地の仕入れ、仲介業務等)も併行して行う。
2008年から相続の勉強に本格的に取り組む。
2016年から所沢市にて、市民の方を対象に相続勉強会と相続相談会を開催している。
各所で、相続セミナーの講師および相続相談会の相談員を担当。

趣味:
所沢の米で日本酒を作る会の監事、日本酒を嗜むこと、カラオケ、韓国語の勉強。

保有資格:
NPO法人 相続アドバイザー協議会認定 上級アドバイザー、
一般社団法人 相続診断協会認定 上級相続診断士、 公認 不動産コンサルティングマスター、
相続対策専門士、 一級建築士、 宅地建物取引士、 ファイナンシャルプランナー